古本屋が考える本の寿命

和紙

昔の本は最近の本と比べてなんとなくヤケるのが早く感じていました。本の寿命は紙で決まりますので、本に使われている紙について調べてみました。

和紙

紙と言えば日本を代表する和紙。寿命が1000年と言われています。600年以上前の、日本書記の、墨で書かれた文字がはっきり読めるほどの状態で保存されているのは、驚異的です。和紙は木の繊維そのまま残して作られているため丈夫で長持ちします。

ウィキペディアには平安時代の日本書紀の写本の画像が掲載されています。

Nihonshoki tanaka version
さすが日本の技術ですね。

現代の本の紙

さて、現代の本に使われている紙には、酸性紙と中性紙があります。インクの滲みを防ぐための薬剤を定着させる薬品が酸性か中性かで酸性紙、中性紙に別れるようです。薄っすらと知識としては持っていたのですが、今回調べていろいろ得ることができました。酸性紙の寿命は100年で中性紙の寿命は300年~400年と言われています。2000年前後を境に紙の劣化について図書館を中心に問題化され徐々に中性紙に切り替わっていきました。現在では、出版物の80%が中性紙が使用されているようです。ただし、酸性紙は安く量産できることから、現在でも新聞紙、雑誌などには多く使われています。

結論

結論として、古本屋的には、本の寿命は300年と考えます。

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